disk review 2000.12.18
■Straight to the heart - David Sanborn
| 1) Hideaway 2) Straight to the Heart 3) Run for cover 4) Smile 5) Lisa 6) Love and happiness 7) Lotsu blossom 8) One hundred ways |
1984年に収録された、サンボーン・バンドのスタジオ・ライヴ。 ハイラム・ブロック(g)、マーカス・ミラー(b)のファンキー系プレイヤーを迎えた、非常にポップでファンキーなノリの良い局が中心。1)、3)のマーカスのソロは、ベーシストなら一度はコピーに挑戦したことがあるだろう、というくらいの名曲。 1984年という、随分と昔の録音だが、そのパフォーマンスの質は高く、今聞いてもまったく違和感がない。音の古さもまったく感じない。それだけシンプルで統一性のある音作りをメンバー全員が心がけている証拠であろう。 サンボーンのプレイスタイルは、このころから今までまったくといって良いほど変わっていない。よく言えば確立されたスタイル、悪く言えばワンパターンなのだ。どちらと取るかは、彼のサウンドを好きか嫌いかによるだろう。 ちなみに、このパフォーマンスは映像としても残されている。音の普遍性と違って、ファッションがメチャクチャカッコ悪いのは仕方がないか? |
■Live in Tokyo 1986 - Steps Ahead
| 1) Beirut 2) Oops 3) Self Portrait 4) Sumo 5) Cajun 6) In a sentimenal mood 7) Trains |
'80年代を代表するバンドの日本公演。私も聴きに行った、非常に内容の濃いライヴ・パフォーマンス。 エレクトリック・サウンドの可能性を追求しつつ、表現自体は伝統的なジャズの手法を用いる、という非常に実験的な試みをしている。当時としては目新しかったEWI(エレクトリック・ウィンド・インストゥルメンツ)を使ったブレッカー、ヴァイブラフォンとシンセをセンサーで組み合わせたマイニエリ、まだまだ実験段階だったエレクトリック・ドラムスを使ったスミス(元ジャーニー!)、オールドファッションな人だと思っていたスターンの(ギター・シンセ)、エフェクター使いまくりで、音がハッキリしなかったジョーンズのベース。 現在でも十分通用するサウンドの新しさと、質の高い演奏は必聴! ちなみに、映像でもこのパフォーマンスは残されているから、こちらも必見。 |
■The birthday concert - Jaco Pastorius
| 1) Soul intro / The chicken 2) Continuum 3) Invitation 4) Three views of a secret 5) Liberty city 6) Punk jazz 7) Happy birthday 8) Reza 9) Doingo 10) Band itros 11) Amerika |
偉大なベーシスト、ジャコ・パストリアスのライヴ・パフォーマンス。 かれの誕生日を祝って、多くのミュージシャンが駆けつけた、お祝いライヴであるが、その後のビッグ・バンドの原型がここにある。’81年12月に彼の地元フロリダのフォートローダーデイルで録音されたこのアルバムは、彼の死後発表されている。 1)、2)、3)、4)、5)、11)といったおなじみのレパートリーは、その他のパフォーマンスと聞き比べることで、面白さが倍増する。また、ジャコの肉声が冒頭部分と、メンバー紹介で聞けるのも貴重なことだ。 このアルバムでは、テナー・サックスにマイケル・ブレッカーが参加している。もう一人のテナー、ボブ・ミンツァーとの対比も面白い。バックのホーンセクションも、その後のビッグ・バンドのメンバーとは異なっているため(地元のミュージシャン仲間中心)、荒削りだが、野性的な魅力に溢れた演奏になっている。 正規に聞ける彼のライヴ・パフォーマンスは、極端に少ない。海賊盤を合わせても、そんなに数がないため、非常に貴重な作品となっている。 |
■Tonin' - The Manhattan Tranfer
| 1) Let's hang on (with Frank Valli) 2) Groovin' (with Felix Cavaliere) 3) It's gonna take a miracle (with Bette Midler) 4) I second that emotion (with Smokey Robinson) 5) La-La means I love you (with Laura Nyro) 6) Too busy thinking about my baby (with Phil Collins) 7) The thrill is gone (with Ruth Brown & B. B. King) 8) Hot fun in the summertime (with Chaka Khan) 9) Along comes mary 10) Dream Lover (with James Taylor) 11) Save the last dance for me (with Ben E. King) 12) God only knows |
コーラス・グループの老舗、マンハッタン・トランスファーのご機嫌なアルバム。 邦題が「カヴァーズ」とついている通り、マントラことマンハッタン・タランスファーが様々なゲストを迎えて、スタンダード曲を歌い上げる。このような企画を立てると、大抵の場合ゲストが浮きあがってしまったり、ゲストに食われてしまったりする期待倒れに終わるケースが少なくない中で、さすがはマントラ。見事にゲストと融合し、ゲストを引きたて、自らも主張している。 こういった芸当ができるのも、過去マントラが多くのセッションを多彩なミュージシャンと行っていることや、ジョイントの企画をこなしているからだろう。 さすがに年齢的な衰えのためか、ライブではかつての迫力や声量が落ちてきたような気がするが、スタジオ録音では、まだまだ実力を発揮している。 |
■The Best - Marcus Miller
| 1) Spend some time with me 2) Panther 3) Home 4) Naine 5) Scoop 6) I want to be there 7) Serious 8) Juice 9) Could it be you 10) Running through my dreams 11) Ethiopia 12) Froevermore 13) Run for cover 14) Just what I needed |
ジャコ亡き後、プレイヤー、コンポーザー、プロデューサーと多彩な才能を発揮する、ナンバー・ワン・ベーシスト、マーカス・ミラーの過去発表した4枚のソロアルバムからのベスト。 彼のすごいところは、シンガーとしても非常に味のある歌を聴かせてくれるところだろう。1枚目2枚目のソロは、ほとんどが歌物という構成になっている。2枚目と3枚目の間に、レニー・ホワイト(ds)と組んだプロジェクト、ジャマイカ・ボーイズがあるが、これは完全な歌物ファンク・バンドだった。 プレイヤーとしては、スラップ(チョッパー)での独特のテクニックで、メチャクチャにファンキーなソロ、バッキングを聴かせてくれる。 マイルス・バンド時代からプロデューサーとしてクレジットされ、ソウル界の大御所、ルーサー・バンドロスのプロデュースを長く手がけてきた。 このアルバムのハイライトは、何といっても13)と14)。13)は最新の未発表ライブ・テイク。14)は今回のためのリテイクとスペシャルな内容だ。 |
■Live in Montreaux Aug.1976 - Weather Report
| 1) bass intro 2) cannon ball 3) black market 4) piano intro 5) badia 6) gibraltar |
ドラムスにピーター・アースキンが加わり、最強のユニットと呼ばれる直前のウェザーのライブ・パフォーマンス。ドラムスにはアレックス・アクーニャが入っている。 録音状態があまり良くないということもあるが、全体的に音がクリアでない。また、日進月歩のキーボード業界を考えれば仕方のないことだが、シンセサイザーの音がたまらなく古臭い。 それでも、各人のパフォーマンスはまずまずのテンションで、非常にレヴェルの高いライブ盤になっている。 ちなみに、このパフォーマンスについては、ビデオも発売されており、こちらも見逃せない。’75年当時のファッションなども楽しめ、別の意味でも面白い。 |
■Don't try this at home - Michael Brecker
| 1) Itsbynne Reel 2) Chime this 3) Scriabin 4) Suspone 5) Don't try this at home 6) Everthing happens when you're gone 7) Talking to myself 8) The gentleman & hizcaine |
トップ・テナー・サックス奏者の一人、マイケル・ブレッカーの90年代初期のアルバム。 90年代後半には、兄のランディ(トランペット)とともに伝説のバンド「Brecker Brothers」を復活させることになるが、その片鱗が僅かに見え隠れしている。このアルバムの参加メンバーのうち、マイク・スターン(g)、デニス・チェンバース(ds)はBBに参加している。 1)では、ヴァイオリン奏者を迎えてスコットランド・テイスト溢れる演奏。4)はマイクの作。4ビートのストレイト・アヘッドなジャズを展開している。 このアルバムが発表された頃、私はマイクのオッカケをしていた。このバンドでの来日はとてもエキサイティングだった。自由度も高く、各人の個性がぶつかる最高のパフォーマンスを、スタジオ録音のこのアルバムでも味わうことができる。 |
■ Soul Vaccination - Tower Of Power
| 1) Soul with a capital's 2) I like your style 3) Soul vaccination 4) Down to the night club 5) Willin' to lean 6) Souled out 7) Diggin' on James Brown 8) To say the least you're the most 9) You strike my main nerve 10) Can't you see 11) You got to funckifize 12) So very hard to go 13) What is hip 14) You're still youung man 15) So I got to Groove 16) She's a pro, she's a con |
白人中心のいわゆるホワイト・ファンク・バンドの超ごきげんなライヴ・パフォーマンス。 黒人のファンクと比べると、ホーン・セクションによるシステマティックなバッキングやキメが目立つ、タイトな演奏が特徴。どちらかといえば、ジャズのビッグバンド的。 個人的には、ベースのロッコ・プレスティアのプレイがこのバンドのグルーヴ感を決定付けていると思っている。8ビートの曲でもしっかりと16ビートを体感できる、細かいフレーズ使いは圧巻。譜面も読めない、音楽理論も全然知らないというウソのような事実は、世のシロウト・ミュージシャンに「才能さえあればどうにかできる!」という勇気を与えてくれる。 昔からのファンは4)で狂喜し、13)、14)の過去の大ヒット曲でノックアウトされること間違いない。全体的にはノリのよい曲でグイグイ押してくる感じで、休む間もないという構成になっている。疲れたときや落ち込んでいるときなどには、少々煩く感じるかもしれないが、最後まで一気に聴かせるパワーはさすがTOP。 パンパンに張ったハイチューニングのスネアと細かいフレーズのベースプレイの融合はまさに無敵のリズム・セクション。超おすすめ。 |
■ Live - Erikah Badu
| 1) Rimshot 2) Other side of the game 3) On & on 4) Reprise 5) Apple tree 6) Ye Yo 7) Searching 8) Bogie nights / All night 9) Certainly 10) Stay 11) Next lifetime (interlude) 12) Tyrone 13) Next lifetime 14) Tyrone (extended version) |
不覚にも、映画「Blues Brothers 2000」を見るまで知らなかったアーティスト。 映画の印象そのままを期待していると、いい意味で裏切られたと思わせてくれる。あくまで重く、暗い、ゆったりしたグルーヴで、かなりジャズ寄りのアプローチをする。このアルバムでも、彼女の登場は、あのマイルス・デイヴィスの名曲「So What」だ。そこから1)へ移って行くところなど、鳥肌モンにカッコいい。 彼女は、シカゴ中心に活動していたアーティストだが、シカゴではラッパーとしても有名で、そんな彼女のラップも耳にできる。また、映画の出演シーンでも出てきたが、彼女の口癖的スキャットが6)で聴ける。 |
■ Mingus - Joni Mitchell
| 1) Happy birthday 1975 2) God must be a boogie man 3) Funeral 4) A chir in the sky 5) The wolf that lives in lindsey 6) I's a Muggin 7) Sweet sucker dance 8) Coin in the pocket 9) The dry cleaner from Des Moines 10) Lucky 11) Goodbye pork pie hat |
ジョニ・ミッチェルがハービー・ハンコック、ウェィン・ショーターらジャズ・ミュージシャンをバックに起用して作ったアルバム。タイトルからも分かる通り、偉大なジャズ・ベーシストである、チャールズ・ミンガスに捧げた作品。 アルバム製作中からジョニとミンガスは交流を持ち、アルバム中では随所にミンガスの肉声も入っている。残念なことに、発表直前にミンガスが死去してしまい、追悼版として発表された。 このアルバムでの注目は、なんといってもベースのジャコ・パストリアスである。私が最も尊敬し、影響を受けたミュージシャンである。彼はこの後、フージョンの雄ウェザーリポートに参加することになるが、まだ20代のフレッシュな頃の彼の演奏を聴くことができる。 2)や11)のプレイには本当にぶっ飛びだ。あるベーシスト(もちろんプロ)が11)の演奏を分析しようとしたが、難解で途中で投げたと語っていた。9)のホーン・アレンジメントは彼が担当している。 このアルバムを含むライブは、サックスをマイケル・ブレッカー、ギターにパット・メセニーを向かえたユニットでビデオ化されている。こちらも一見の価値あり。 |
■Bossa Carioca - Lisa Ono
| 1) So danco samba 2) Samba do soho 3) Chega de saudade 4) Samba do carioca 5) Corcocado 6) Maria e dia 7) Os dios 8) Samba de verao 9) Ela e carioca 10) Diz a ela 11) O barquinho 12) Saudade 13) Palpite infeliz |
日本のブラジル音楽の第一人者、四谷のブラジル料理屋の娘、小野リサのアルバム。 生楽器による非常にゆったりとしたテンポとやや掠れ気味の太い、それでいて非常に艶っぽい彼女の歌声は絶品。夏の日の午後、日陰でお茶などを飲みつつ聴きたい音楽。 |
■Kilowatt - Kazumi Watanabe
| 1) 1000 mega 2) Capri 3) No one 4) Jive 5) Papyrus 6) Sunspin 7) Pretty soon 8) Bernard 9) Dolphin dance 10) Good night machines |
ギター奏者として日本が世界に誇れる人。カズミのアルバム。 アルバムごとに雰囲気がコロコロ変わるのが彼の特徴だが、このアルバムはニューヨーク系のジャズ・ミュージシャンを迎えてのセッション色の濃い作品。 実はこのアルバム、9) 1曲を聴きたいがために買った。ベースのバーニー・ブルネルとのデュオ。カズミはアコースティック・ギターでのプレイだ。テーマからカズミのソロに移行する最初の8小節ぐらいがメチャクチャにカッコいい。 コンセプトによっては、十分にアレンジされている曲もあるが、やはりセッション色の濃い曲の方が断然グッドなのは、やはり彼が根っからのジャズ・ミュージシャンであることを物語っている。 |
■Upfront - David Sanborn
| 1) snakes 2) benny 3) crossfire 4) full house 5) soul serenade 6) hey 7) bang bang 8) alcazar 9)ramblin' |
メロウ、ファンキー、エモーショナルと様々な形容詞が付けられる人気アルト・サックス奏者、デイヴィッド・サンボ ーン。このアルバムでは、ベースのマーカス・ミラーがプレイヤー&プロデューサーで参加してる。 1)はマーカス・ミラー・プロジェクトで来日の際、オープニングで使われた、ファンキーなナンバー。こういった曲では、サンボーンの「らしさ」の一部を聴くことができる。しかし、彼の真骨頂はやはりバラード。間なく埋め尽くすように吹きまくるソロは、賛否両論分かれるところだが、聴かせる・泣かせる・エッチにさせると三拍子そろった彼独特の雰囲気は、一聴の価値あり。 ちなみに、彼は以前「ジョージア・コーヒー」のCMで港などでサックスを吹くシーンが流れたので、知っている人も多いのではないだろうか? |
■La Place - Stanley Turrentine
| 1) Terrible T 2) Cruisin 3) Night breeze 4)Take 4 5) Touching 6) La place street 7) Spakle |
ジャズ・テナー・サックスの大御所、スタンレー・タレンタインのアルバム。 珍しく全曲エレクトリック・サウンドでのアプローチ。3)などはヴォーカルまで入ってなかなかご機嫌なブラック・ポップスに仕上がっていて、お気に入りの一曲。お歳のせいか、ここ数年ややパワーに欠けるきらいはあるものの、貫禄と実力の1枚。 |
■Man Talk For Moderns Vol X - Greg Osby
| 1) Cad'lack back 2) For here to go 3) Man-talk 4) Like so... 5) On a mission 6) Lo-fi 7) Balaka 8) Black moon (for Geri) 9) Carolla 10) 2th (Twooth) |
CDショップに立ち寄った際、たまたまかかっていたもの。衝動買いした。 100%エレクトリックなインストゥルメンタル。重めのビートに歯切れのいいリズムがアンバランスながら微妙な調和をみせている。80年代のマイルス・サウンドに影響を受けていると思われるが、二番煎じ以下の評価しかできない。 |
■Anthology - Sly and the family stone
| 1) Dance to the music 2) M'Lady 3) Life 4) Fun 5) Sing a simple song 6) Everyday people 7) Stand ! 8) I want to take you higher 9) Don't call me nigger, Whitey 10) You can make me it if you try 11) Hot fun in the summertime 12) Thank you (falettinme be mice elf agin) 13) Everbody is a star 14) Family affair 15) Runnin' away 16) (You caught me) smilin' 17) Thank you for talkin' to me Africa 18) Babies makin' babies 19) If you want me to stay 20) Que sera, sera (whatever will be, will be) |
あまりにも有名なスライ・ストーンの名盤。 強烈な主張を超攻撃的なビートに乗せて、熱く熱くぶちまける。演奏の上手い下手とかまとまりといった基本的な音楽レヴェルとは、まったく別の次元まで到達してしまっている。歌詞の強烈さもさることながら、メンバー全員が勝手に主張(楽器によって)するため、混沌という言葉がよくマッチする。 ちなみに、このバンドのベーシスト、ラリー・グラハムは後に「グラハム・セントラル・ステーション」というバンドを結成し、スライと似たような音楽を展開する。しかし、彼の一番の功績は、いわゆる「チョッパー奏法(親指で弦を叩き、人差し指で弦を引っ張る)」を発明したことだろう。現代大衆音楽に携わるすべてのベーシストに多大な影響を与えている。 |
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