ビーチでの正しい過ごし方
南の島といえば海だ。
海での過ごし方には、様々な過ごし方がある。終日何もせずにゴロゴロしている、サーフィンやダイヴィングなどのマリン・スポーツを楽しむ、釣りを楽しむ、ビーチバレーで汗を流す……。考えていけばキリがないほど、海は楽しいことがいっぱいだ。ロコらしくやっていこうと思ったら、やはり海での過ごし方は「達人」の域になければならないだろう。
ロコの間で最もポピュラーな海での過ごし方は「ビーチ・パーティ」だ。一族郎党、仲間同士など大人数が集まり、ビーチでバーベキューを楽しむのだ。オアフ島の西海岸、ウェストと呼ばれる地域は、観光資源に乏しい。これといった観光施設などがないから、観光客が訪れる機会が少ない。その分、古きよき時代の習慣を残したロコたちが多い。こういった人々がウェストのビーチに集まってくる。
一グループで3〜4台の車を連ねてやって来て、ビーチに日除けの天幕を張る。そこへテーブルやコンロ、イスなどを並べればパーティ会場のできあがりだ。クーラーボックスには、冷えたソフトドリンク(ハワイのビーチでは、飲酒が禁止されている)が用意され、アツアツの料理を食べながら会話に花を咲かせる。子供たちは海で遊び、大人たちも気が向けば泳いだり波に乗ったりと各人が好き勝手に楽しむのだ。
音楽をかけるでもなく、もちろん夕方にやって来て花火をするでもなく、朝食や昼食の場がそのまま海に移ってきたかのように、のんびりと落ち着いた雰囲気のパーティだ。
このようなローカルなビーチでは、すべての遊びが同時に行われることも面白い。サーフィン、ボディボード、釣り、水泳、日光浴……。すべてがのんびりとした時間の流れの中で行われているから、釣り糸の沈んだところへサーファーや泳いでいる人が入っても、釣りをしている人は文句も言わない。また、海で遊んでいる人も、釣り糸の延長線上には極力入らないように注意している。「海は誰のものでもない。皆がそれぞれ楽しむべきところ」という精神が徹底されている。
これが日本の海となると、釣り糸の延長線上をちょっとでも人が横切れば、釣り人は鬼のように怒る。大声で怒鳴る。また、海の上にいる人々も釣り糸のことなど全く意に介さない。「海は自分のもので、自分だけが楽しめれば良い」という精神が徹底されている。
話が逸れていってしまったが。ビーチでの過ごし方の中で最も注意しなければならないのは「日焼け」だ。ロコたちは日光浴が目的でない限り、決して日向に横たわったりはしない。日焼けは肌の問題だけでなく、体力も著しく消耗するからだ。日焼けが目的であっても、木陰に一日いれば十分に日焼けするから、サンオイルなどを塗って日向にいたりすると、後で痛い目に合う。サーフィンなどで波待ちをしているときも、ロコたちは定期的に海に入って身体を冷やしている。これが長時間海で遊ぶコツだろう。
しかし、ビーチは基本的に日光を遮るものが少ない。したがって数少ない椰子の木陰は早い者勝ち的状態になる。また、椰子の木陰は太陽の動きに合わせてジリジリを移動を続けている。日陰だと思ってうっかり寝込んでしまうと、気が付いたら日向に寝ていたなどという状況になりかねない。こまめな移動がポイントだ。
さらに注意すべきポイントは、極力荷物は少なくする、ということだろう。金目物などを持っていると、置き引きの被害に遭うことになる。多くても20〜30ドル程度の現金があれば、ビーチで一日過ごしてもお釣りが来る。クーラーボックスとタオル、日焼け止めくらいに留めておけば、たとえ置き引きに遭っても諦めがつくというものだ。
大勢でパーティなどをやっていれば、全員が海に入ってしまう、などということにはならないが、カップルなどでビーチで過ごす場合は大抵二人が一緒に海に入ることになる。こうなると荷物はまったくの無警戒状態となる。以前、我々バカ夫婦はこれをやってカバン(ボロボロのマウンテンスミス)の中身をやられたことがある。このときはたまたま滞在先から歩いて数分という距離のビーチであったから、現金はゼロだったから良かったものの、バカ夫婦は、帰りは裸足&濡れ鼠で帰るハメになった。
古き良き習慣を残す、アットホームなビーチなら、先述のウェストが良い。ロコたちも非常にフレンドリーで、気軽に話しかけてくる。ビーチはそれほど広くはないが、水はどこまでも綺麗で湾状になった穏やかな場所が多い。観光客も少なく、一日のんびり過ごすにはもってこいの場所だ。マカハやナナクリがお勧め。
真っ白なパウダー・サンドのビーチ、エメラルド・グリーンとコバルト・ブルーの海という、ステレオタイプ的南の海ならば反対側のイースト・ショアが良い。波も概ね穏やかで、とにかく眺めは最高だ。しかし、穏やかな波とはいえ、カレントは結構強めなので、沖に出るときは注意が必要だ。風光明媚な場所が多く、シーライフパークなどの観光施設もあるから、観光客の数は多い。カイルアやシーライフパーク前のマカプーがお勧め。
ワイキキから遠く離れたノース・ショアは、春から夏、早秋にかけては抜群に良い。冬はビッグ・ウェイヴが来るため、サーファーで賑わうが、それ以外の季節ならほとんどフラットに近いほど穏やかな海と、真っ白な砂のビーチが美しい。しかし、メイジャーなスポットということでは夏も同じだから、混雑は避けられない。さらには、ノースはオアフ島のどの地域よりも暑い。日陰に入っていないと、あっという間にグッタリしてしまうから、気合と注意が必要だ。ビッグ・ウェイヴで有名なワイメア、綺麗なチューブ波で有名なエフカイ、夕日が綺麗なサンセットがお勧め。
南の島の海で遊ぶ際、注意すべきポイントはまだある。陸から見れば綺麗なビーチだが、真っ白な砂浜も10mも沖に出ればそこはもうリーフ(この場合珊瑚礁を意味する)だ。平均すれば、20m沖くらいまでは脚がつくほどの深さだが、不用意に脚をつくと鋭い珊瑚の餌食になる。足の裏が切れたり、穴のようなところに足を突っ込むと足首付近まで傷を負うことになる。海で泳ぐ際は注意が必要だ。
ビーチではやはりのんびりと読書などをしながら一日過ごすのが良い。時々身体を冷やすために海へ入り、冷たいものなどを飲みながらだらしなく寝そべっているのが、最も充実したビーチ・タイムだ。水中眼鏡持参で行けば、スキンダイヴィングでリーフの中にいる魚などを見ることもできる。はじめは退屈かもしれないが、なれると病み付きになる。あくせく名所を回るのが馬鹿馬鹿しくなるのだ。
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