イタリアン パスタ編
1.失敗版「ペペロンチーノ」
ちょっと変わったスパゲッティ・ペペロンチーノに挑戦してみた。
奥さんが「激辛・青唐辛子」というものを入手してきたのだ。これをにんにくとエシャロットの微塵切りともにオリーブオイルで炒める。塩&黒胡椒で味を整え、パスタの煮汁を少し加えてアルデンテまであと30秒のパスタとともにフライパンで熱しながら絡める。
最も簡単で、最もシンプルなだけに、美味しさにバラつきが出てしまう実は難しいパスタだが、昨日はそんなことが吹き飛んでしまうような衝撃に見舞われた。メチャクチャ辛いのである。激辛物が得意で、めったなことでは音を上げない私も、パスタを残してしまった。
タイで使われる非常に小さいが、メチャクチャに辛い唐辛子も生で食べることができる私だ。しかし昨日は、舌は感覚がなくなり、唇まで痺れた。眼の下に汗をかき、頭の天辺は湯気が出るほど熱くなった。見てくれも香りも完璧に美味しさを表現しているというのに、味は火を吹くような辛さ。
ブービートラップに掛かった気分だった。
2.本場カルボナーラのレシピ(イタリア人からきいた)
本場では生クリームは使わない。したがって、できあがりはかなり黄色みを帯びた物になる。早速今まで我が家で作っていたものと比較してみよう。
*今までのレシピ
1.パンチェッタをカリカリになるまで炒める。
2.パルメジャーノを大量におろし、卵黄と生クリームを和える。さらに炒めたパンチェッタを加えて和え、濃厚なソースを作る。
3.パスタを茹でて、ソースと絡める。黒胡椒を大量にふってできあがり。
*本場のレシピ
1.皮付きベーコンとニンニクのスライスを、ベーコンがカリカリになるまで炒める。
2.パルメジャーノを大量におろす。卵をそのままパルメジャーノと和える。
3.パスタを茹でて、炒めたベーコンとニンニクとフライパンを温めながら和える。(ベーコンの油をパスタが吸うように……がポイント)
4.チーズと卵のソースと絡め、大量の黒胡椒をふってできあがり。
大して変わらないように思えるが、本場の方が遥かにあっさりとした味わいになる。今までのレシピは、それはそれで美味いのだが、ちょっとしつこく、どちらかといえばフレンチに近い味わいがあった。何よりも皮付きベーコンが美味い。スモークの香りも高く、皮がコリコリしていて、パンチェッタの比ではないのだ。
2種類のカルボナーラが作れるようになった。これで我が家のパスタのレパートリーが、また豊かになった。
3.改良版ペペロンチーノ
前々から書いているが、ペペロンチーノは、作り方が非常にシンプルなため、味にバラツキが出る。本当に美味い! と思えるペペロンチーノを作るのは非常に難しいのだ。トマトソースや他の味付けの場合は、ソースや素材を美味く作ることによって誤魔化しが効く。
今回は、バジルの葉を大きめに刻んだものを大量に入れることで誤魔化そうという狙いだ。しかし、今回のトライで、美味いペペロンチーノの感触のような物を掴んだので、ここに発表しようと思う。
ポイントは2つ。先ずは、ニンニクと唐辛子を炒める際のオリーブ・オイルの量だ。ちょっと多過ぎるかな? と思えるほど入れるのだ。ニンニクと唐辛子は、非常に弱火で炒める。こうしないとあっという間に焦げてしまう。最終的には、唐辛子は真っ黒に近い状態まで焦がす方が辛くて美味いのだが、火が強すぎると、辛味がオリーブ・オイルに移る前に黒焦げになってしまう。ニンニクはカリカリになるまで炒めるのが美味さのコツだ。これも弱火で炒めないと、黒焦げになってしまう。
ポイントの2つ目は、パスタの茹で加減と水切りだ。茹で加減はやや固目。こうしないと、次にオリーブ・オイルと絡める際に柔らかくなりすぎてしまう。水切りは、ほとんどしない、というのがコツだ。本来、ペペロンチーノの場合、茹で汁をオイルに加えることによって、オイルの量を加減するのだが、私の発見では、オイルが多めだからこれは必要ないのだ。
最後にフライパンのオイルとニンニク、唐辛子にパスタを投入して絡める。この際、当然ながらフライパンは火にかける。絡めながら、パスタの艶に注目する。オイルを吸ってツヤツヤしてくるのだ。ツヤツヤしないようだと、オイルが少ないから茹で汁を加える。全体的に絡んだな、と思われたら生バジルを投入する。多過ぎるだろう? と思われるくらい投入しても、あっという間に萎んでしまい、量的には丁度良くなるから、力いっぱい投入するのだがコツだ。
これでできあがりだから、実質の調理時間は、ニンニクやバジルを刻む時間を含めても、30分以内だ。これくらいの時間で、そこらのイタリアン・レストランよりは遥かに美味いパスタができるのだから、試してみる価値は十分にあると思う。
4.合体版カルボナーラ
皮付きベーコンを炒めて、フライパンにベーコンの油をたっぷりと出しておく。パルメジャーノを大量におろして、生クリームと卵を加えて混ぜる。茹でたパスタをフライパンに投入して、温めながらベーコンの油を吸わす。十分に吸ったところでボウルに作っておいた濃厚なソースの中にパスタとベーコンを投入して、よく混ぜれば出来上がりだ。
お味の方は、まさに絶品! だ。おそらく日本中のどこのイタリアン・レストランで食べるよりも美味いだろう、と自画自賛したくなるほどだ。非常に濃厚なので、量的にはそれほど食べることは出来ないが、それでも二人前ぐらいはペロリといける。ここまで濃厚だと、ワイルド・ターキーのような酒でなければ負けてしまう。というわけで、昨日はワインを途中からターキーに変更してグイグイ飲んだ。
ここでつくづく感じるのが「皮付きベーコン」の威力だ。これは明治屋でいつも買い求める物なのだが、スモークの効いた非常に旨味の深い逸品だ。このベーコンから出るダシは、炒めて良し、煮込んで良しの非常に応用範囲が広い優れものだ。我が家では「厚めに切って」くれるよう、特に注文をつける。こうすることによって、後々料理で使うときにダシが良く出るのだ。
5.カッペリーニ
カッペリーニは、太さ約0.9mmの「極細パスタ」だ。大抵は冷たいパスタやスープの中に入って食べられている。0.9mmという太さは、イメージとしては素麺と冷麦の中間といったところだろうか? 通常食べられている太さのパスタと比べれば、食感は素麺や冷麦に近い、ツルツルッとした感じだ。パスタ好きでなくても、素麺や冷麦ファンには、かなりの好感を持って迎えられるだろう。
また、茹で上がりにかかる時間が約3分と非常に短いことから、手早く出来る料理の代表格でもある。工夫さえ凝らせば、5分という記録的な簡単さで1品出来上がるのだ。
冷たいパスタの代表的レシピは、トマトを細かく刻んでオリーブ・オイル、バジル、塩、胡椒などと和える。これを冷蔵庫に入れて冷やしておく。塩のおかげで、トマトから水分が出て良いソースとなるのだ。これは、サルサ・ソースと同じ原理だ。次にカッペリーニを茹でる。僅か3分という短さだから、油断しているとあっという間に時間が過ぎてしまう。
茹で上がったら、冷水を出しっぱなしにしたところでさらして、パスタを締める。素麺や冷麦と一緒だ。これをしておくと、パスタが水分をあまり吸わなくなるから、アルデンテの状態を長く保つことができるのだ。茹で加減の目安は、30秒ほど長めに茹でて水で締めることだ。締めたパスタを先程のソースに投入して混ぜれば出来上がりだ。パルメジャーノを上から振っても大変良い味だ。抜群。
暖かいレシピは、トマト・ソースを作ったときに、茹でていないカッペリーニを直接投入するという方法を取る。パスタ自体が細いから、大してソースの水分を吸わない。量さえ間違えなければ、非常に美味しいスープ・パスタが出来上がる。
ここまでは一般的なレシピだろう。現在、我が家では長期家を空けるため、食料品の買い控えが行われている。このため、冷蔵庫の中に残っている物だけで料理する……という苦しいが、挑戦しがいのある状態にある。昨日は、大根おろしとツナの缶詰を使った「和風冷中(わふうひやちゅう)」を作った。完全なる適当造語なのだ。レシピを見れば分かるが、中華の要素は皆無だ。
大根おろしにツナの缶詰を加え、塩、胡椒、醤油でやや濃い目の味付けをする。大根おろしの水分を見込んだ味付けだ。ここへ水で締めたカッペリーニを投入、かき混ぜれば出来上がりだ。麺の色(セモリナ粉を使っているため黄色い)が冷やし中華に似ているため、ぱっと見は冷中なのだ。味のほうは大根とツナの相性がバッチリだから、悪いわけが無い。これまた抜群。
当然、上のレシピに胡麻油を加えれば、まさに洋風冷中になることは言うまでも無い。これまた非常に美味い。キムチ中心のトッピングを考えれば、洋風冷麺だ。こうして考えると、カッペリーニはパスタの中でも、最も応用範囲が広いのかもしれない。今後も研究が必要だ。
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