Drink編


1.泡盛

周知のとおり、泡盛は沖縄原産の焼酎に分類されるお酒だ。原料は米。瓶に寝かせて三年以上経過した物を特に古酒(「クースー」と読む)と呼ぶ。アルコール度数も25度から40度以上とバリエーションが多い。最近では、酒店などでも色々なブランドの泡盛が入手できるようになり、泡盛ファンの私としては嬉しい限りである。

焼酎に分類される泡盛だが、味や香りは独特だ。普通、焼酎と呼ばれる物はサワーやお湯、水などで割って飲むことが多い。しかし、泡盛はストレートかオンザロックでいただくのが普通だ。そこに島で採れる酢橘やカボスの果汁を少々絞り込むとなお良し。

泡盛を飲むための仕掛にも凝ってみたい。ボトルから直接注ぐのは味気ない。そこで、沖縄で泡盛用の徳利として使われている「カラカラ」という容器でいただく。急須に似た容器で、形や色、絵柄のバリエーションが非常に豊富だ。一合入り、ニ合入りがある。杯も大きめのもので、氷を浮かべることのできる口の広い物がいいだろう。

つまみは? やはり沖縄料理が望ましい。にが瓜(ゴーヤ)、ランチョン・ミート、豆腐を炒めて、卵でとじた「ゴーヤ・チャンプルー」は必須だろう。豚バラのブロックを生姜、鰹節、泡盛で煮込んだ「ラフテー」や豚バラを豚足に変えて「テビチー」、スペアリブに変えて「ソーキ」などの豚肉料理を加えれば、一層のこと泡盛も料理の味も引き立つだろう。


2.我が家の酒類の消費量

毎週、資源ゴミの日に棄てるボトルの数や、酒棚に乗っているボトルの数を加味して分析してみる。毎日、夫婦それぞれが3〜5杯程度のアルコールを摂取している。内容はストレートだったり、ソーダ割りだったり、カクテルだったりするから、消費量は一様ではない。

酒棚のボトルを見てみると、バーボン、ジン、テキーラ、ラムは銘柄は一定ではないが、必ずある。さらに泡盛やワイン、黒糖焼酎、グラッパやマールなどのブランデー類、スパークリング・ワインがちょくちょく並ぶ。そしてカクテル用のホワイト・リキュール、ミント・リキュール、ブルー・リキュール、ベルモットなどがある。

ゴミとして棄てられるボトルの数から類推すると……。

・ウィスキー系:3〜5本/月

・ワイン系:3〜5本/月

・ジン、テキーラ、ラム:2〜3本/月

・その他:2〜3本

ということになる。値段にバラつきはあるが、2500円平均として考えると、25000円から40000円もアルコール類で消費していることになる。量的に換算すると(750ml)、7.5Lから12Lだ。一般的な平均がどれくらいかが分からないから、どうなのかは何ともいえないが、私自身の感じでいくと「結構、飲んでるなぁ」だ。


3.ヴェルモット

イタリアでは、食前酒としてオン・ザ・ロックなどで飲まれており、カクテルでは最も知られているマティーニに使われている。白ワインに薬草やスパイスを配合した物が一般的だが、ビアンコ、いわゆる赤もレパートリーに加えられている。また、カラメルなどの糖分を加えて、甘い味わいに仕上ていることも特徴だろう。このような糖分の添加を極力抑えたドライという種類もある。私の好みはエクストラ・ドライという超辛口(マティーニに使われるのも、これ)だ。

銘柄も色々あるが、一般的に広く知れているのは「CINZANO(チンザノ)」だろう。私はモータースポーツが好きだから、イタリア車を常にサポートし続けている「MARTINI(マルティニ)」を愛飲している。この二つのメイカー、飲み比べてみるとMARTINIの方が味、コク、ドライさなど、ほとんどの部分で上回っている。色もCINZANOが透明なのに対して、MARTINIはやや黄色みがかっている。

このヴェルモット、酒蒸しや香り付けに使っても非常に効果的だ。白ワインを使うよりも、薬草やスパイスが入っている分だけ、風味が良い。鶏肉や牡蠣のワイン蒸しなどには、絶対的な相性の良さを発揮する。ワインのような「妙な酸味」がないのが、非常に好感が持てるところだ。おそらく、薬草やスパイスがそういった無駄な? 味を殺すのだろう。

飲んで良し、料理に使って良し。そして安い。結構ハマる酒だ。


4.カクテル

飲む方は、どちらかといえば甘い味わいのものが多いから、実はあまり好きではない。それでも、自分が作ったカクテルの味見はするから、店で出されるものと比較してしまう。基本的には、ステアして作るものよりもシェイクして作るものの方が、カクテルを作っている! という実感がわく。やはり何といってもシェイカーを振るという行為は、イメージ的にもカッコがいい。

総じて言うと、店で出されるカクテルは、水っぽく薄い印象だ。都心にある古くからのバーや一流ホテルのバーは別として、若者が集うような店で勿体つけて作られるカクテルで美味いものに出会ったことは、ほとんど皆無といっていい。

第一の理由としては、酒をケチっている、というのがあるだろう。酒やその他の素材をふんだんに使えば、店としての原価率が上がってしまう。その分、価格設定を高くしなければならない。私などが家で作るときは、自分の好みに合わせてたっぷりと酒や素材を使うから、店のものと比べれば、リッチな味わいを出せるのだろう。

もうひとつの理由は、シェイクだ。私は非常に小型のシェイカー(カクテルグラス一杯分くらいしかシェイクできない)を使う。対して店では大型のシェイカーを使う。この差は、シェイカーの中で氷が移動する距離に出てくる。ということは、シェイカーの壁に氷がぶつかるときの衝撃も大きく、また酒の中を潜る距離も長くなる。要は大型のシェイカーの方が氷が溶けやすいということを言いたいのだ。同じ回数シェイクしたとすれば、氷が溶ける割合は、大型のそれの方が大きいことは誰でもわかる。

酒をケチって、氷が溶けやすいシェイカーを使う……。これでは水っぽく薄いカクテルになるのも仕方がない。どの程度まで、その薄さが許せるか? というところが問題で、私のように濃い目の酒を好むならば、ほとんどの店のカクテルは許せないことになってしまう。雰囲気や色を楽しむのであれば、薄い酒を飲んでもいいだろう。

そんなこともあって、店で飲む酒は、ウィスキー(主にバーボン)のストレートかロックにしている。自分の好みをバーテンダーに押し付けて、作らせることがカッコいいことだと勘違いしている人もいるようだが、彼らには彼らなりの「流儀」というものがある。それに挑戦することは、ある意味非常に失礼なことだと思っている。ドライにしてくれだとか、軽めにしてほしいだとか、彼らへの要求は、最小限にとどめたい。好みのものは、家で自分で作って飲めばいいのだ。

しかし、私などがバーテンダーをやれば、店はあっという間に赤字になってしまうに違いない。


5.酒の美味さ

一般的には、食前酒には、ティオ・ペペなどのシェリー、肉料理には赤ワイン、それもフルボディといわれる非常に重いものが良いとされている。魚料理などには白ワインだ。食後酒には、ブランデーが多い。のこ他にも、ハンガリーの逸品トカイ・ワインなどの非常に甘口なワインを「デザート・ワイン」と称して飲むこともある。こうしてみると、食事と共に飲む酒は、ヨーロッパ的発想が下地にあるようだ。

食前酒には、やや強めの蒸留酒で胃を活性化させ、食事中は醸造酒で、食事の種類に合せてマッチングを楽しむ。食後は甘い口当たりの酒で締めくくる。確かに非常に洗練された選択だといえる。これなら、泥酔することもなく気持ちのいい「ほろ酔い加減」を味わうことが出来る。

私の場合は、前から書いている通り、常に強い酒を好む。勝負は「キレ」だと思っているから、ブランデーに代表されるようなキレのない酒は、たとえ強い酒であってもあまり好きではない。かえって食前酒の中に加えるべきであると思う。食前酒でよく飲むのが、テキーラとホワイト・リキュール、ライム・ジュースをシェイクした「マルガリータ」だ。ホワイト・リキュールとライム・ジュースの甘さに騙されると、かなり痛い目にあうくらい、強いカクテルだ。

食事の前後、最中を問わず飲むのは、やはりバーボンが多い。キレを重視しているから、メイカーズ・マークやエヴァン・ウィリアムズなどのヘビーなもの(これらは食前酒か食後酒がいいと思う。)は避け、ワイルド・ターキーやファイティング・コックなどのゴツイがキレのあるものを選ぶ。肉料理にも魚料理にもマッチングは抜群だ。「舌を洗う」という行為が、食事中の酒の最大の役割だと思っているから、いつまでも匂いや味が舌に残る酒はダメなのだ。

そういったことを考慮して酒を選んでいくと、食事中の酒は蒸留酒がいい。しかもあまり高くない物の方が匂いや味に癖がない。それをソーダで割ることによって、さらにキレを増し、匂いや味を薄める。ソーダ割りだから、たくさん飲んでしまうと、胃袋が膨れてしまうというデメリットもあるが……。30度前後の蒸留酒ならば、オンザロックでOKだ。泡盛や焼酎などがこの手の酒の代表だろう。

ワインにしても、料理とのマッチングがなければ、大して美味い酒だとは思わない(ワイン好きの方々からの轟々たる批難の声を覚悟しつつ)。シャトーを名前に冠したたいそうなワインも、料理や肴がない状態で飲めば、あまり美味いとは思えないのだ。それならば、チリやアメリカ産の3000円くらいのワインを飲んでいた方がずっと美味いと感じる。

ラムやテキーラは、安酒の代表格のような言われ方をするが、十分に寝かせた物は非常に美味い。ハバナ・クラブの7年物など、カクテルにするのはもちろん、水やソーダで割ることすらもったいないほどの美味さだ。オレンジの輪切りを添えたオンザロックがベストだろう。テキーラも、テキーラ・グラス(分厚いガラスで作られた細身のショットグラス)で塩を添えて飲むストレートは、また格別な味わいだ。

何だかんだと能書きをたれたが、要は蒸留酒が好きだ! と言っているだけのことだ。


6.暑い日に飲むもの

Snapple(確かこういうスペル)という飲み物がある。

350mlほどのずんぐりした瓶にはいっている、紅茶やピンク・レモネードなどの清涼飲料水だ。これを飲んでいると、アメリカの熱い気候を思い出す。もう随分前に、フロリダでバス・フィッシングをしたとき、前のライヴ・ウェル(要は生簀。競技などで、バスを生きたまま計量するため、本格的なバス・ボートには必ず前後に二つ付いている)に氷を満たした即席のクーラーボックスには、必ずこのSnappleのアイス・ティが入っていた。

アメリカの飲み物だから、ご多分に漏れず極端な味付けだ。非常に甘く、極端にレモンの味が効いている。しかし、垂直に近い角度で照りつける太陽光線に焼かれ、かく汗がその場で渇いていくような、典型的なフロリダの春の気候の中では、その極端な味が妙にマッチしている。バドワイザーなどの薄目のビールなどもマッチしないことはないのだが、これは釣りが終わった夕方の方がずっと美味い。

日本では当たり前となっているが、アメリカ合衆国では「アイス・コーヒー」というものがない。冷たいコーヒーと牛乳のハーフ・アンド・ハーフを無性に飲みたくなることもあるが、そういうときはアイス・ティで代用するしかない。あとはコーク(アメリカでコークといえばペプシだ)や100%果汁のジュース類といった飲み物しかない。

ハワイの気候にもはやりSnappleはよくマッチする。こちらは、景色の色彩の鮮やかさと合わせて、ピンク・レモネードがいい。ビーチではアルコールが基本的に禁止だから、どうしても清涼飲料水になってしまう。チェリー・コークというドクター・ペッパーに似た味のするコークも捨てがたい。ハワイのビーチでは、Snappleかこのチェリー・コークが定番だ。

アルコール禁止のビーチだが、持ち込む手はいくらでもある。私がよく使うのは、ミネラル・ウォーターのペットボトルにジン・アンド・トニックを作って持ち込む、というものだ。アメリカでは、トニック・ウォーターが1リットルのペットボトルで売られているから、ビーチに持ち込むときはどうしてもトニック・ウォーターを使ったアルコールが多くなる。大抵はジンかラムをベースにしたカクテルに、ライムを生で一個持っていく。これなら色からはアルコールだと分からない。

暑い気候の場所では、食前酒はなんと言ってもライト・タイプのビールがいい。ジョッキ一杯が100円前後だから、ビール好きにはたまらないだろう。私は一杯空けたら、あとはバーボンだ。こういう気候の場所に住むアメリカ人は、食事中はなんとSnappleのアイス・ティを飲んでいる人が結構いる。なんでも極端な味付けが好きな彼らだから、これも選択肢としてはアリなのだろう。1kgのステーキにジョッキ二杯のアイス・ティ。考えただけでも満腹感が襲ってくる。


7.酔っ払い易い酒

私が何を飲むと翌日二日酔いになるか? という角度から推理すれば、すぐに分かってしまうだろう。傾向としては、醸造酒であることだ。ワイン、スパークリング・ワイン、日本酒などなど、食事の際にちょっと嗜む、といった程度に頂くことが良しとされている類いの酒だ。

普段からバーボン、ラム、テキーラといった強い酒を飲み慣れていると、この醸造酒は、かなりパンチに欠けるのだ。したがって、クイクイ飲んでしまって、気が付いたら一升、一瓶……という単位で胃袋に収めてしまっている。それでも、大して酔っ払ったという感覚はないのだが、翌日にはたっぷりと二日酔いの苦しみを味わうことになる。

対して蒸留酒は、翌日に残ることがほとんどない。先に登場した酒の他にも、キャナディアン・ウィスキー(キャナディアン・クラブなど)やブランデー(甘いのでほとんど飲まない)等、様々な蒸留酒をかなりたくさん飲んでも、二日酔いにはならないのだ。

しかし、ここ数年の飲酒状況を分析してみると、蒸留酒でもたった一つ、翌日に残る物があったのだ。泡盛である。沖縄ファンとしては恥ずかしい限りなのだが、泡盛を一晩で一瓶(一升瓶ではない)空ける勢いで飲むと、かなり激烈な二日酔いになることが判明した。つい先日(5月4日)も経験したばかりだ。

こうして分析してみると、私のウィーク・ポイントは米ベースの酒にあるようだ。確かに米ベースの物は、独特の匂いや味があって、一発で米! ということが分かる。さらに突き詰めていくと、概して米ベースの酒はアルコール度数が低い物が多い。20度から35度ぐらいが平均であろうか? 要はウイスキー系の蒸留酒と比べると、混ざり物? が多いのだ。

泡盛には、60度などという高い度数のものもあるのだが、これは東京ではなかなか入手できない。以前、63度のバーボンや70度近いヴォッカなどを飲んだが、こういった高い度数の酒は、飲んだ瞬間は強烈な衝撃を受けるが、その割りには悪酔いしないという共通の特徴がある。サッと気持ちよくなって、すんなり醒めるのだ。

しかし、米ベースとはいえ、泡盛は基本的に長粒種のインディカ米系をベースにしているということなので、日本酒や焼酎とは一線を画すはずなのだが……。

一瓶、一升の単位で飲んでいれば、二日酔いは確実だ! という声が聞こえてきそうだ。


8.メシには牛乳!

食事時の酒について、過去色々書いてきたが。

本当は「メシを食うときは、牛乳!」と思っている。特にご飯物のときには絶対に欠かすことが出来ない、重要なアイテムである。和食、中華、イタリアン、フレンチ、エスニック……考えてみれば何を食べるときも、欲しくなる飲み物は「牛乳」である。

その他、牛乳がベスト・マッチなのが煎餅だ。揚げ煎餅はダメだが、醤油味系や濡れ煎餅、柿の種は、絶対に牛乳と一緒に食べなければならない。まだ私が若かりし頃、人生で最も食い溜めが効く高校生の頃は、柿ピー一袋で1リットルの牛乳を飲んでいた。

今でも、我が家の牛乳消費量は一週間で2リットル以上だ。奥さんは殆ど飲まないから、ほぼ私一人の消費量と考えて良いだろう。これが一般的に見て、多いのか少ないのかは定かではないが、私自身の感覚としては、もう少し多くても良いと考えている。

狂牛病が取りざたされている昨今、牛乳とて決して安全ではない。病気などでコロッと逝く前に、狂牛病にやられるかもしれない。


-もどる-