DHチームを結成した 2000.11.8
先日、来シーズンより活動を開始する予定で、ダウンヒル・チーム(以下DH。DHについての参考資料はこちら http://downhill.tripod.co.jp/)というものを結成した。
私を含めて三人の仲間が集まった。とはいっても、前後150mm以上のストロークのサスペンション、前後ディスク・ブレーキが今や標準スペックとなり、本気で組んでいくと、あっという間に100万円コースになってしまう。そこで、三人の共同出資によって1台のバイク(本格的競技用チャリはこう呼ぶ)を購入しよう! ということになった。それでも中古のバイク(ということは2年以上前のモデルになってしまう)しか買えないだろう。
ちなみに、前後150mm以上のストロークを持つ、フルサスペンション・バイクの乗り心地というものはどんなものだろうか? ちょっと俄かには想像できないかもしれない。歩道橋の階段を自転車で下ることをイメージしていただきたい。かなりの困難さである。これがDHバイクだと、サドルに座ったまま、ノーブレーキで楽々と下れるのだ。サスペンションの威力とはこれほどの物なのである。
今のところ、仲良くさせてもらっているプロショップに丁度良い出物が1台ある。カナダのメイカーであるルイ・ガノのDHプロ・モデルである。発売当時の価格で60万円前後だったと思うが、これが10万円台の前半になっている。フロント・フォークには幻の逸品、ショーワDHが付いている。ブレーキはディスクではないが、少々お金を足せば装着可能だ。
しかし、ショーワというメイカーは、今やモーターサイクルの世界では世界を席巻したといっても過言ではない。このメイカーが作ったサスであるから、当然性能は抜群である。自転車の世界でも、発売当時は話題を呼んだ。しかし、世界的なマーケットを見ても、自転車の世界では売上が少なすぎると判断、自転車用サスペンションの製造を中止してしまったのである。
今現在、DHバイクは前後200mmというモンスター・マシンが珍しくないという状況だ。その中で、ショーワのDH用サスのストロークは160mmと決して多い方ではない。しかし、ストロークは長ければいいというものでもないのだ。要は、ストローク範囲内で効果的な動きをすることだ。衝撃を吸収するための縮み側、車輪が浮き気味になったときの伸び側と、常にタイヤを地面と接するように(トレースするという)しなければならない。
そういう意味で、素人がが使っても良く動くサスというのが、ショーワであった。惜しい。
フランスにSUNというメイカーがある。自社製のサスペンション、Obsysが有名だ。ここのワークス・チームは、去年まで何年も連続でDHのワールドカップや世界選手権を制してきた常勝チームである。このチームのサスは、200mm近いストロークが常識となった他チームとは一線を画した考え方を持っている。前後150mmほどのストロークで、いかに効率よくサスを動かすかをテーマにしているのである。
練習走行やテスト走行では、前後のサスに「ストローク・センサー」なるものを取り付け、路面状況とサスの動きを細かく分析する。そこから導き出された結果をセッティングに生かすのだ。
確かに、ストローク量が増えても、それをどれだけ有効に使っているのかは疑問が残る。路面状況によっては、必要ない量になるかもしれない。リア・サスが良く動くということは、ペダリング時にサスが沈んで力が逃げてしまうというデメリットがあるのだ。したがって、ペダリング・セクションが多い設定のコースだと、ロングストロークはかえって不利を招くことにもなる。
プロショップのオヤジに言わせれば、プロが使うようなストローク(200mm前後)よりも150mm前後のストロークの方が、草レースなどではかえってタイムが伸びるという。ストロークが長いと、つい楽をしてしまい、積極的な攻めができない。マシンまかせで下ってきてしまうというのだ。さらに草レースくらいのレベルでは、ロングストロークを使い切るような走りができるライダーはいないのである、ともいう。
我がチームが求めるルイ・ガノも標準のストローク量は、リアが200mmだ。それをアダプターかませて、ショーワのフロント160mmに合わせてある。侮れないセッティングだ。わざわざストロークを縮めているのだ。それでも試乗した感じでは、サスの動きがメチャクチャにいい! 今から山を下るのが楽しみである。
バイクは買えても、それだけで山を下れるわけではない。ヘルメット、上半身、手足のプロテクター、グローブなどなど体を守るための道具が必要だ。これが結構ばかにならない出費を伴う。三人のチーム員のサイズが同じならば、使い回しもできる。しかし、我々のチームは体重100kg、75kg、65kgと見事にバラバラである。使い回せるのはヘルメットぐらいか???
ここまで書いて、ふと気付いた。サスセッティングがこれでは出せない。最大公約数を求めるにも、100kgと65kgの公約数ではお互いに柔らかすぎと固すぎになってしまう。ということは、75kgの私だけがベスト・セッティングということになってしまう。
スタート前から頭の痛い問題を抱えてしまった、我がDHチームであった。
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